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「ルパン三世」役を受け継いだ栗田貫一、大塚明夫、山寺宏一それぞれの戦い

2025/6/19 22:07

モンキー・パンチ原作による劇場アニメ「LUPIN THE IIIRD THE MOVIE 不死身の血族」のジャパンプレミアが、本日6月19日に東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで開催された。上映前に行われた舞台挨拶にはルパン三世役の栗田貫一、次元大介役の大塚明夫、石川五ェ門役の浪川大輔、峰不二子役の沢城みゆき、銭形警部役の山寺宏一、ムオム役の片岡愛之助、小池健監督が登壇した。

2021年に次元役を引き継いだ大塚明夫の“戦い”

小池監督は登壇すると「1週間前にやっと完成しました」と報告し、キャスト陣は驚きの声を上げる。「応援してくださっている皆さんや、今日来てくださったお客さん、そしてスタッフ、キャストの皆さんのおかげで完成することができました。ありがとうございます」と述べた小池監督に、惜しみない拍手が贈られた。「LUPIN THE IIIRD」シリーズについては、栗田が「小池さんの『ルパン三世』は世界観が深いというか、まったく違うもの」と特徴を言い表し、「そんな集大成がついに今日、公開される」と待ちきれないといった様子を見せた。

2021年に小林清志から次元役を引き継いだ大塚。交代してから現在までを「私は引っ越してきた感じなので、まだ家になじんでいなかった感じがありまして。この中でどうやったら清志さんが建てた次元の家に住みやすく住んで、そして新しく建ったルパン御殿に居所を作るかという戦いでしたね」と振り返る。一方沢城は「ねーえ、ルパン」という不二子らしいセクシーボイスを披露し、「このセリフがあることが、不二子だということの1つの証明だったんですけど、(小池監督の『ルパン三世』では)言わないんです」と話す。「普通の不二子の時間だけでできている“小池ルパン”って、本当にその役の心理がわかっていないと崩壊してしまう」と、「LUPIN THE IIIRD」シリーズにおける不二子の演技の難しさについて言及した。

「不死身の血族」の前日譚であり、銭形が物語の中核を担うアニメ「LUPIN THE IIIRD 銭形と2人のルパン」の配信を明日に控え、山寺は初代銭形役・納谷悟朗から役を引き継いだ頃を回想する。当初は「違和感がある」という意見をインターネットで見て落ち込んだと明かし、納谷に近づけようと努力したと語った。そして「小池監督と、音響監督の清水(洋史)さんから『自分が思うように、このハードボイルドの世界で銭形を実直にやってください』って言われたので、やっているつもりです。もちろん、納谷さんへのリスペクトは持ったまま」と自信に満ちた表情を見せる。

「不死身の血族」は「LUPIN THE IIIRD」シリーズの総括

子供の頃から「ルパン三世」が好きだったという小池監督は「大人たちの距離感とか、佇まいとか、今までアニメーションで見たことがなかったような感触を受けた」と当時の印象を述べた。そして「その雰囲気をこの作品では存分に出して、世界観、ストーリー、キャラクターの渋さ、そういうものをしっかりと詰め込んだ」と力強く続ける。シリーズ最終話にあたる「不死身の血族」は「その総括みたいなもの」と言い、「これまで応援してくださった方にはたっぷりと味わっていただきたいし、初見で観られる方も楽しめると思うので、今、届けられるのをすごく楽しみに待っているところです」と自信を覗かせた。

歌舞伎「流白浪燦星(ルパン三世)」では、流白浪燦星(ルパン三世)役を演じ、今作ではルパンの強敵を演じる愛之助。「最初にお話いただいたとき、勝手に『ルパン一味を助けられるんだ、うれしい』と思って。よくよく話を聞いて台本を読んだら、めっちゃ敵じゃないですか!」と配役を知ったときの気持ちを叫ぶと、会場は笑いで包まれる。そんな愛之助に対し栗田は「本当に強かった」、山寺は「今度ばかりはダメかと思いましたね」と冗談めかして言いながらも、愛之助が声を吹き込んだムオムの迫力を称えた。なお劇中では、ムオムが通称“ムオム語”と呼ばれる特徴的なしゃべり方をするシーンがあるのだそう。愛之助がムオム語を実演し、栗田が何を言っているのか当てようとするも正解には至らず、回答を聞かれた愛之助は「『エンドロールまで観てください』と言いました」と笑顔で答えた。

栗田貫一とルパンの30年間

ここで「不死身の血族」が、「ルパン三世」約30年ぶりとなる2D劇場アニメーションであることにちなんで、30年前に自分が何をしていたのかという質問が投げかけられる。栗田は「ルパン三世 くたばれ!ノストラダムス」で先代のルパン三世役・山田康雄から役を受け継いだ頃を思い出しながら「本当に右も左もわからないまま、ルパンというものをやっていったんですけど、ちょうどそれが30年前。そこから始まり、気がついたら今30年も携わらせていただいているんだな」と感慨深げな表情を見せる。同作にクリス役で出演し、当時の栗田を見ていた大塚は「スタジオでがんばれ、がんばれ、と応援していました」と懐かしみ、「先輩方の自在な佇まいというのかな。こういうふうになりたいなと思っていました。ちょうど今次元をやらせていただいてるんで、なれたのかな」と微笑んだ。

少々しんみりとした雰囲気の中、30年前の浪川の話題に移ると、浪川は「ちょうど浪人していた」とはにかむ。「僕はモノマネが苦手なんですが、(井上)真樹夫さんの石川五ェ門を研究したのが初めてのモノマネだった。今思うと、30年前からちゃんとモノマネを勉強しておけばよかったな」と苦笑いした。栗田と山寺は石川五ェ門のモノマネができるそうで、台本の読み合わせの際など浪川が不在のときは、代役を務めることもあるのだとか。浪川が栗田と山寺に「どんどんうまくなってるんで、やめてもらっていいですか? 僕がいないときに石川五ェ門をやるの、やめて」と懇願すると、客席からは笑いが起こった。

終盤ではキャスト陣を代表して栗田が挨拶。「モンキー・パンチさんが描いてこられたイメージの『ルパン三世』が、この『LUPIN THE IIIRD THE MOVIE 不死身の血族』につながっているんじゃないかなと思うくらい、いろんな方にルパンを広げていただいたり、育てていただいて30年経った」とこれまでの歩みに思いを巡らせる。そして「不死身の血族」について「もしモンキーさんがいらしたら『すごいの作ってくれた。ありがとう』って言っていただけるような作品になっていると思ってます。絶対自信があります」と力強くアピールした。最後には栗田が観客に「俺の名は?」と呼びかけ、観客が「ルパン三世!」と返すコールアンドレスポンスが行われた。ルパンが描かれたニセ札が舞う演出でいよいよ作品が上映される会場を盛り上げ、舞台挨拶は終了した。

劇場版アニメーション「LUPIN THE IIIRD THE MOVIE 不死身の血族」

2025年6月27日公開

スタッフ

原作:モンキー・パンチ
監督:小池健
脚本:高橋悠也
音楽:ジェイムス下地
クリエイティブ・アドバイザー:石井克人
アニメーション制作:テレコム・アニメーションフィルム
製作・著作:トムス・エンタテインメント
配給:TOHO NEXT

キャスト

ルパン三世:栗田貫一
次元大介:大塚明夫
石川五ェ門:浪川大輔
峰不二子:沢城みゆき
銭形警部:山寺宏一

スペシャルゲスト

ムオム:片岡愛之助
サリファ:森川葵
ルウオ:鈴木もぐら(空気階段)
フウア:水川かたまり(空気階段)

原作:モンキー・パンチ (c)TMS

(コミックナタリー)
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