突然ですが皆さま、好きな色はありますか? また、毎日生活をする中で色を意識する瞬間はどんな時でしょうか。身の周りの様々なモノにつけられる色ですが、無意識に選びがちな色というのがそれぞれあるかと思います。あるいは、気分やシチュエーションによって使い分けることもありますよね。さて、我々が日々愛してやまないBL作品にも実に様々な色が使われています。今回はいつもと趣向を変えまして、表紙に使用されている色ごとに作品を紹介していきたいと思います! それぞれの色が持つ意味や印象も併記しましたので、占い感覚で楽しんで頂ければ幸いです。
赤
赤という色から伝わるのは、激しい感情の昂ぶり。
勢いの良さや豪快さを強調するカラーと言えるでしょう。
前向きなキモチになりたい時、自信を持って行動したい時に使えば
力が漲ってくること間違いなし!
歯医者に惚れたという理由で太客を逃したヒモホスト・有朋。どんなヤツか見てやろうと乗り込んでみれば、相手は眼鏡とマスクで顔を隠した男で。しかし、偶然見てしまった素顔はめちゃイケメン!?
目が合った途端に真っ赤になってしまった彼を不覚にも可愛いと思ってしまいます! 野田の悩み「赤面症」の克服という体で、服を脱がせたりエッチな声を出すよう要求するのですが、ホストという嘘の世界で生きてきた彼ですが、もっと野田の色々な顔を見たいと夢中になり、徐々に野田が人前でも顔を出せるようになってくるとモヤモヤするところが非常に推せます! 一方、野田はとっってもウブでとにかく可愛らしいお方。最初は恥ずかしがることが多かったのですが、有朋と過ごすうちに自然な笑顔もこぼすように・・・・・・。けれど、あることをきっかけに「彼が甘い言葉を囁くのは営業なんだ」と勘違いしてしまうのです。
お互い好きなのにすれ違うところがちょっぴりビターでそれがまたイイ!! 脇キャラのホストふたりのHシーンに遭遇した有朋・野田がそのままこっそり自分たちも・・・・・・な番外編もお見逃しなく♪
青
青といえば水や海の色。良くも悪くも冷たさをあらわす青は、
真面目な努力家さんが好むようです。
クールな印象を与える一方、癒しや爽やかさを象徴する色でもあります。
クールダウンしたい、爽快感を得たい時にピッタリですよ!
眩しいくらいのブルーとふたりの少年。表紙から伝わってくるのはかけがえのない夏の記憶と爽やかさでした。
映画が好きという共通点から仲良くなった男子がふたり。「一緒にいると楽しい」という感情は時として友情以上のものへと発展します。好きな人はいるのかという高校生らしい渉の質問に「今 俺の目の前にいる人」と映画の台詞さながらの返事をする千晴。「受け入れなくていいし、好きになってほしいとも言わない」とサラッと告げた彼の心境は、まだこの段階ではなかなか見えづらく。腐女子としては「なんでそんなに平然としていられるの!?」と驚きを禁じ得ません。しかし、そんな彼がひとつだけ渉に願ったものこそが「夏休み中、一緒に聖地巡礼をしてほしい」というものでした。千晴のこの願いに隠された意味を読者は後々知ることになるのですが、それがもうとにかく尊くて! そんな千晴の気持ちをバカにすることなく全力で受け止めようとする渉の男前っぷりもたまらないものがありました。
こみ上げるこの想いを多くの人と共有したいので、皆さまどうか宜しくお願いします!!
緑
平和の色である緑は、協調性の高い人が選びやすい色。
集団の中で自分の力をいかしたいという気持ちの表れかもしれません。
また、若々しさを連想させることから、本来の自分に立ち返りたいと感じている人にもオススメできそうです!
──ケツが痛ぇ。コレ、BLではお馴染みのセリフだと思うのですが、だからと言って開幕早々に使えるかと言うとなかなか難しそうですよね? ところが、本作はこのインパクトのありすぎるセリフから本当に幕が開いてしまうのです!!(笑)
主人公の涼とたっくんは絶賛同棲中のゲイカップル。合コンがきっかけで出会ったふたりですが、とにかく彼らの面白いところが性格も嗜好も何もかも真逆だという点なのです! 攻の涼は甘党の会社員で、恋人にベタ惚れの20代(デカ●ラ) 一方、受のたっくんは「STK32(粗暴な物言い・低血圧・強面の32歳)」な辛党。そして痔持ち(笑) 本当に正反対な彼らなので時には喧嘩することも・・・・・・。けれど、決してお互いを否定しないんですよ。だからハラハラすることなく安心してストーリーを楽しめるのだと思います。そんなふたりですが、唯一カラダの相性だけはぴったりで♡ スケベなおっさんに煽られて興奮している涼くんのワンコぶりが全てを物語っています。
凸凹ゲイカップルのちょっと刺激的で幸せな日常BL。緑を選んだあなたに自信を持ってオススメできる作品です!
黄
明るく賑やかな印象を与える黄色。
「楽しいことをしたい、もっと遊びたい」という気持ちが表れています。
新しいことを始めるワクワク感から起業家が好む色とも。
独創性を高める効果もありそうですね♪
幼少期からの幼馴染のカズとモトキ。中学の時に付き合い始め、同棲生活も早6年。何年経ってもモトキ一筋なカズとは反対に、駆け出しの俳優・モトキは最近少し淡泊気味。熟年カップルにありがちなマンネリがテーマかと思いきや、そんな単純な話じゃあございません! モトキがカズを好きになった経緯を筆頭に、仕事と恋人とを秤にかけるという重大すぎる局面など、序盤のコミカルさとは打って変わってシリアスな展開に・・・・・・。俳優仲間・歩の登場によりヒヤッとする場面もありつつ、ツンデレなモトキが実はとってもカズを大事に想っていることが分かるシーンでは五体投地するほどの感動を覚えました。愛の重すぎる攻の一方通行かと思いきやバッチリ相思相愛。控えめに言って最高です!! 村上キャンプ先生の作品は、あっさりした絵柄からは想像がつかないストーリー性やセリフ回しにハッとさせられることが非常に多いのですが、今回もさすがと唸る結末でした。
予測不能の展開、ふんだんに盛り込まれたコミカル要素・・・・・・黄色の特徴をドンピシャにとらえたオリジナリティー溢れる本作をどうぞお楽しみください!
白
清潔感や正しさを象徴する色が白。
万人に好感をもたれやすいため、皆によく思われたいという人が選びがち。
また、「何も染まってない=これから色を付ける」ということから、新しいことを始めたい時にもオススメ。
切ないリーマンBLを読んで涙活をしたい時にイチオシなのが本作。情熱的なタイトルに反して透き通るような白い表紙・・・・・・。これが意味するものとは?
部下の須藤を密かに想う真木。恋の成就なんて望んでおらず寂しくなったら誰かに抱かれにいくというドライな生き方をしていたゲイです。しかし、二丁目にいるところを偶然須藤に見られた日から歯車は狂い出し・・・・・・。須藤の好奇心から体の関係が始まるのですが、真木は常々本気になってはいけないと自分自身を戒めるんですよね。本当は嬉しくてたまらないのに! そんな切なさをひしひしと感じ、この段階ですでに苦しいのに、そこに加わるのが社会人としての様々な困難。出世、見合い、社内の噂・・・・・・そういったものを乗り越えるためにふたりはツラすぎる手段を取るのですが、それで平穏な生活に繋がらないのがもう~~!! 他の男に「上書きされる」ことを拒み、須藤に抱かれる前には戻れないことを悟った真木の悲痛な叫び・・・・・・。そしてクライマックスの「僕が欲しい 僕は欲しいッ 僕が欲しい」という台詞。一筋縄ではいかない大人の恋の難しさに涙が止まらない作品でした。
黒
高級感があるカラーなので、この色を好む時は自分に高い価値をつけたがっている心理があらわれているかもしれません。
個性や独自の価値観をアピールしたい、弱さを悟られたくないという気持ちが強まっているのかも?
悪夢が怖くて眠れないという現象、一度は皆さん経験されているのではないでしょうか。そんな悪夢やトラウマにまつわるラブストーリーをここでひとつご紹介します。
幼少期に経験したある事件とそこから派生して見るようになった悪夢が原因で、慢性的に不眠症を患っている一紫。そんな彼の救世主となったのが同僚の和深の「声」でした。イケボとして評判の高い彼の声を聞いていると不思議と自然に眠気が・・・・・・? それを知った和深からの提案でふたりの同居生活が始まります。天然の三十路がポンポンされながら寝る姿、寝起きの表情のあどけなさに100億点!! その可愛らしさにニマニマしたのも束の間。物語が進むにつれてトラウマの実態や父親との関係が明らかに!? それはどうしようもなく苦しいものでしたが、表紙や繊細なタッチの作画から想像されるほど重すぎるものではなく、しんどいストーリーが苦手な方でも楽しんで頂ける内容かと思います。
黒は本作では暗闇を象徴する色として登場しますが、トラウマを乗り越えたいという強い信念を感じさせる役割もありそうですね!
茶
茶色から連想するのは土や木などの自然ですよね。
何か自分自身の中で揺らぐものがあって、大地のような安定感を求めているのかも。
また、地に足がついた生活を良しとするコツコツ型の人が好むのも、実はこの色だったりします。
茶色の背景に入れ墨入りの背中を晒す強そうな男・・・・・・。堅気じゃない空気がビンビンに漂う表紙ですが、真面目な印象を受けるこの色を選んだあなたにピッタリの漢気溢れる作品なんですよ~!
兎と虎・・・・・・というようにカワイイ感じかと思ったら! いい意味で裏切られました。銃創を負ったヤクザ・野浪を助けたのがきっかけでロックオンされるようになってしまった臆病な医師の卯月。普段は俺様な野浪ですが、お茶目で優しく、卯月先生の行動にいちいち喜んだり悲しんだりする姿がとっても可愛らしい! 怯えていた卯月先生がだんだんと野浪に信頼を寄せていく様子は、まるで小動物が懐いていく姿そのものです! 全くタイプの異なるふたりですが、自分の立場や役割にしっかりと信念を持っている様子は男気に溢れているとしか言いようがありません。「このふたりならきっとこの先大変なことがあっても乗り越えられるはず!」という安心感を得られるストーリーでした。
メインカップルを動物に例えるというストーリー運びが斬新な本作。知っているけれど未読だったという方はぜひぜひ読んでみてくださいね!!
ピンク
女性らしい愛情と生命力に満ちているカラー、ピンク。
ストレスを和らげ、感情が昂ぶりにくい効果が期待できます。
無意識にこの色を好んでしまうあなたは、癒されたい願望が強いのではないでしょうか。
最後にご紹介するのは、砂糖菓子を連想させるスウィーティーな表紙の作品です。たっぷりのピンクが可愛さを強調しています♡
プロデュース業の傍ら、出張ホストもしている攻のユタカ。待ち合わせ場所に行くと、そこにいたのは長身で超強面の客だった!? 強面なのに可愛い一面をのぞかせる客・ツカサに興味を持ったユタカですが、「いざヤるぞ!」という時になってツカサが見習いサキュバスだということが判明!! 顔が怖すぎて誘惑すらままならないという彼にユタカが提案したのは・・・・・・「俺と一緒にナンバーワン風俗嬢を目指そう!!」(笑)。風俗業のアレコレを教育するシーンは「何この背徳感・・・・・・でも興奮する・・・・・・!」状態。「見知らぬ誰かの精●採取すること」を目的として始まったユタカとの関係だったのですが、それだけじゃない感情もむくむくと湧いてきて・・・・・・? 鈍い同士がモダモダしている姿がとってもキュートなのでご注目ください♪
疲れた時にクスリと笑って和めるようなジェットコースターラブコメ。エロ良し、ギャグ良し、可愛さ良しな素敵な作品として、疲れた皆さまの本棚に加えて頂ければ幸いです!
さてさて、今回の特集はいかがでしたか? 皆さまの好きな色と作品の傾向は合っていましたか? 普段はあまり意識しないかもしれませんが、改めて色に注目しながら作品を読んでみると「なるほどな~」と頷ける点も多々あり・・・・・・。気分によって変えても良いですし、色縛りで新規購入しても良いですし、無限の楽しみ方があるように思えます!! 「この色だったらこの作品!」というものを宜しければ探してみてくださいね!