1989年6月24日、音臼村の小学校で児童含む21人が毒殺される事件が起きる。
逮捕されたのは、村の警察官だった佐野文吾。主人公・田村心(たむら・しん)の実の父親だった。
事件後、家族の生活は世間からの"毒"に支配され、一変していく。
やがて父・文吾の冤罪を信じ、心の夢を応援してくれる由紀と出会った心だが、
"毒"は心のココロを根深く蝕んでいた。
心は娘の出産をひかえ、妻・由紀と一緒に幸せな家庭を築きたいと思うように。
しかし、その想いは虚しく、出産直後に由紀が死んでしまう。
心は娘に自分と同じ思いをさせたくないと、
父・文吾と向き合う決意をする。
父親の弁護士に会う前に、
事件があった音臼村小の跡地に立ち寄った心だったが、
突如発生した濃霧に包まれ、気付くと
1989年にタイムスリップしていた。
心は未来の出来事が書かれたノートをもとに事件を未然に防ぐため行動を起こす。
しかし自分の知る過去と別のことが起きていく。
真犯人の目的もわからぬまま、心は未来からきたこと、音臼村で起きる事件の全貌を文吾に伝える。
突然の告白に困惑する文吾は、激昂するあまり心を追い出してしまう。
途方に暮れ、音臼村をあとにする心。するとだんだん霧が濃くなっていき…
突然霧に包まれ、気が付くと現代に戻っていた心。
心の行動は虚しく、音臼小無差別殺人事件の犯人は父・佐野文吾のままだった…
それに加え、一家心中により母・和子と兄が死亡とつらい現実が待っていた。
死亡したはずの最愛の妻・由紀は生きていたが、心とは出会ったことのない赤の他人にと、
悪い方向に未来は変化していた。
心は文吾に会うべく、拘置所へ向かう。そこにいたのは当時の優しい面影を残した父親の姿だった。
心は26年ぶりに姉・鈴と再会する。
鈴は顔を整形し名前を変え、内縁の夫・木村みきおにまで自分を隠して生活していた。
木村みきおの計らいで鈴たちの家に招かれる心。
なぜか木村みきおの部屋には無差別殺人事件当日に撮られた写真が飾られていた。
「僕ね…あの夜犯人の男と会話したんですよ」
木村みきおは鈴と同級生だった加藤みきお、
そしてみきおの母親は音臼小で教員をしていた木村さつきだった。
文吾に面会をした心は事件当時、メッキ工場で働いていた佐々木紀子が、
文吾の無実を証明すべく、事件についての証言をしようとしていることを知る。
その話を聞いた木村さつきはそれを阻止するため、心より先に佐々木紀子のもとを訪れる。
さつきはなぜ証言を阻止するのか。鈴が問いかけると、さつきは真犯人を鈴に教える。
そして心は真犯人に会うため音臼村へ向かう。