日本最高峰の芸術大学、東京藝術大学を目指す美術系スポ根マンガ!
美術の知識も技術もほぼゼロから藝大を目指し、絵を描く悦びも苦しみも味わいながら成長していく主人公に、思わず感情移入しながら読んでしまう本作。
感情表現や描写があまりにリアルすぎて、実際に美大・芸大を目指している人、目指していた人にとっては、「胃がキリキリしてしまう…だけど面白くて読むのを止められない…」そんな複雑な気持ちになってしまうかも。
作者の山口つばさ先生は、実際に東京藝術大学に現役合格したということもあり、受験のことや藝大の様子もしっかり描かれています。
美術予備校での講評や、要所要所に挟まれる絵画技法の解説なども丁寧なので、絵を描かない人でも思わず筆を執りたくなってしまうかも!?
2000年代を代表する青春群像劇の名作
アニメ化、実写ドラマ化、実写映画化などのメディアミックスもされた本作。
かわいい絵柄と丁寧なモノローグ、そして痛快なコメディでぐっと引き込まれますが、登場人物たちのもどかしい恋愛模様や、主人公・竹本(たけもと)の同級生である、天才少女・花本はぐみ(はなもと・はぐみ)など才能あふれる人物の、才能ゆえの苦悩・挫折・再起なども濃密に描かれていて、一言では説明できない魅力あふれる作品です。
学生ながら新進気鋭の作家として注目される天才たちや、悩み、苦しみながらも成長していく主人公など、登場人物がみんな魅力的。美術に詳しくなくても楽しめる一作となっています。
横浜などの都内近郊の風景や、宮城・松島、北海道・稚内など実在の場所も登場するので、聖地巡礼もオススメです!
1980年代の芸術大学を舞台に描く、熱い青春コメディ
2014年にドラマ化もされた本作は、作者の島本和彦先生のプロデビュー前をモチーフに、庵野秀明監督など実在の人物や実際のエピソードを織り交ぜながら描かれる、自伝的青春コメディです。
大阪の芸術大学に通い、周囲の豊かな才能に打ちのめされつつも、漫画家を目指す主人公・焔燃(ほのお・もゆる)や、アニメやマンガの世界で才能を発揮していく同級生たちの姿が、熱く勢いある作画で描かれます。読んでいる内に、ついつい共感したり、何かを作りたい衝動に駆られてしまう一作。
80年代のアニメ・漫画などの文化がふんだんに出てくるので、当時の世俗を知りたい人には貴重な資料になるかも!?
舞台となる大作家芸術大学は、大阪・河南町にある大阪芸術大学がモデル。学内はもちろん、近隣のお店や周辺の駅など、行ったことがある人にとっては「あそこだ!」となる背景が盛りだくさん。コマの隅々までじっくり見てみるのも面白いかも。