しつこい女性から逃れるため、同性の友人を「恋人！」と偽り、フリをするうち本気になって……。そんな王道展開でありながら、美麗な作画と美人リーマン谷中の可愛らしい性格、そして森山の“眼鏡をとったら超イケメン”というこれまた王道設定などなどの魅力でもって、グイグイ読み進めてしまう太鼓判クオリティの一作です！
ずっと片恋だった森山の、このチャンスを逃すまいと落としにかかる無表情な闘志が、ベッドでは紅潮したオスの顔で現れるのがたまりません。長いまつ毛の上目づかいも美しい谷中が、自分の中で育っていく気持ちにまごつく様子も、じれったく不器用ながら、初々しく色っぽくてドキドキします……。
余談ですが、さすが 「スーツのメンズ描くの大好き」まつだいお先生！ リーマンたちのシャツ、ネクタイ、上着＆ズボン、コート、どれもサイズ感からシワのより具合までバランスよくリアルで惚れ惚れします。スーツフェチの皆さん、ここ要チェックです。

＜あらすじ＞
恋人のフリをしてほしいと言う谷中に対して、森山が提示した交換条件は――!? 嘘から始まる恋人関係の行方やいかに。

『君、シヲレルコト勿レ』で盆栽屋店主と空間デザイナーの癒し愛を描いた榮屋シュロ先生が、今回は北欧ブランド調理器具と美食の魅力をふんだんに盛り込みながら、カフェバー店主ナツメの恋をスピンオフしました。
失恋の傷を引きずるナツメは、北欧ブランドに勤める樫の、「異性でも同性でも、大切な相手に出会えたなら絶対に手放すべきじゃない」と語る偏見のない真面目さに惹かれていきます。ところが、この樫がもう、呆れるほど恋愛感情に鈍感。ナツメに胃袋どころか心まで掴まれているのをずっと自覚せず、そこにナツメの恋愛に対する臆病さが相まって、不器用な恋模様がほろ苦く織り成されていきます。見守る側は、この優しい“じれじれ”を身悶えしながら楽しむのが正解！ 登場する料理の数々も主役級で、特に２人が距離を縮める料理会キャンプはヨダレものです。
描き下ろしでは、名前呼びの破壊力に打ちのめされるナツメと花を飛ばす樫という極上デザートが味わえます！

＜あらすじ＞
人気のカフェバー店長の九重ナツメは、過去の苦い経験が元で恋愛から遠ざかっていた。不毛な恋はしないと決めていたのに……？

スピン元もCHECK

＜あらすじ＞
恋人も家族もおらず、祖父母から受け継いだ古民家でひとり静かに盆栽屋を営む薫は、ある日、派手なスーツを着た青年・李一と出会った。

誰もが羨むハイスペなのに、人肌がないと眠れない……。そんな極度の寂しがり屋な社長・穂積の理想は、金目的じゃなくて自分のことを一番に優先して公私ともにサポートしてくれる、気も性欲も強い美人な（女の）子。おやおや、真横にいるじゃないですか！ 女の子ではないけれど、理想ドンピシャな秘書・伊吹が！ 実は彼、学生時代から８年間穂積に片想いしているのです……！ ひょんなことから勢いで穂積を抱いてしまった伊吹は、戸惑う穂積を前に開き直り、仕事も家事も夜もとにかく甘やかしまくるのですが……！ 体だけでなく心も欲しい伊吹と、彼の気持ちを受け止められないのに自分以外に優しくする伊吹は見たくないという穂積。自分の気持ちに無自覚すぎて、あまりのもどかしさに床を転げ回るかと思いました……(笑)。だからこそ、気持ちが通じ合ったあとの濃厚えっちは必見です♪
ヤンデレから天然まで数々の執着攻を生み出してきたさきしたせんむ先生。かわいくてかわいくない、不器用で一途な恋をどうぞ！

＜あらすじ＞
全てに恵まれたパーフェクトな男・穂積恵一(30)。起業した会社は順調で私生活も超充実、人生すべて思うがまま。ただ1点、「極度の寂しがり屋である」ことを除いては。

就活に苦戦してすっかり自信を失ってヤケになり、SM嬢に掘られる逆ア●ルに目覚めてしまった縞。お金も尽きて家でAVを見るばかりの怠惰な生活を送っていましたが、かつての同級生でミステリアスな美貌を持つ由木と偶然再会します。ゲイビ男優をしているという由木は、縞の逆ア●ル趣味の話を聞くと「それって俺じゃ駄目かな」と迫ってきて!?
再会してすぐに体の関係は持ってしまったけれど、臆病さからお互いの心に踏み込めない2人の距離感にモダモダきゅんきゅんさせられます！ キスは簡単にできるのに……一緒のゲイビ出演は承諾できるのに……本当の気持ちだけは言えないし、聞けない。就活で自信を完全に喪失している縞と、幼い頃の苦い体験に囚われている由木、なかなか上手く生きられない2人にとって、お互いが唯一無二の存在になっていくのが尊すぎます！
すれ違っては求め合う不器用な2人に悶えちゃうこと間違いなし。“再会BL”の醍醐味が詰まった一作です♪

＜あらすじ＞
就活ノイローゼから“逆ア●ル”趣味に目覚めてしまった縞は、深夜のアダルトショップで元同級生の由木と再会する。好奇心？ 興味本位？ いやいや現実逃避かも……!?

人気小説家・黛にハウスキーパーとして雇われた若手俳優の高坂。乱れた着物姿の黛に、挨拶もそこそこにキスされ、あっという間に乗っかられてしまい……!?
違う男をとっかえひっかえし、わざと高坂に見えるように情事を繰り返すビッチな黛ですが、その本心はとってもピュアで一途！ ずっと思い続けた高坂を前に気持ちが抑えられず、見せ付けることで意識させようとする黛の不器用さが愛しい……。他の男に余裕そうに抱かれる姿と、高坂に抱かれてどろどろに蕩けて喘ぐ姿のあまりの違いに、抑えてきた思いの深さが溢れていて胸に刺さります……。本音を暴かれた後の赤面する黛は萌え必至！ 大人でえっちで美形で、さらにピュアな一面まで見せられて完全KOです。
また、最初は黛に翻弄されていた高坂の、恋人になってから見せるオス顔も必見！ 騎乗位から正常位へ上下が逆転し、攻められひたすら喘がされる黛のトロ顔を美麗な作画で存分に堪能できますよ！ じんわり沁みる大人の恋模様をどうぞ。

＜あらすじ＞
人気小説家・黛 愛一郎の家でハウスキーパーとして働くことになった高坂 陸。さっそく黛邸に伺うも、いきなりキスされ乗っかられて……不器用なおとなの、拗らせ片想い。

キラキラなホストクラブを舞台に、純愛を夢見るゲイ(おっさん)と10年愛を貫く隠れゲイ(おっさん)の不器用なじれじれラブを堪能できてしまうのがこちら！
失恋の勢いから、「俺だけの楽園を作ろう」とホストクラブのオーナーになったゲイの一陽。クラブのマネージャーとして、友人として、一陽を傍らで支え続けてきた健史でしたが、実は10年以上も片想いを秘めていて……。一見クールでぶっきらぼうな健史ですが、その内はどこまでも一途で健気なのです。一陽のために脱サラし、酔い潰れれば世話を焼き、その献身っぷりに愛がダダ漏れです！ にもかかわらず、鈍感な一陽からは振り向いてもらえず……切ないを通り越してもはや不憫すぎて泣けてきちゃう……！ だからこそ、想いが通じた瞬間の悦びはひとしおで、健史の万感の思いの込もった「抱くぞ」にはぐっときてしまいます！
お付き合い後はデレが解禁された健史の溺愛と2人のご褒美イチャ甘に、どうぞ浸ってください♪

＜あらすじ＞
男運がまるで無いゲイの一陽はある日「俺だけの楽園を作る！」と一念発起し、ホストクラブを作る。幼馴染の健史はそんな一陽を放っておけず、クラブのマネージャーとなるが……

本当の運命の相手は……？ 切ない片想いに胸がぎゅっとなる一作をご紹介します！
高校からの親友・北原に片想いしてきたゲイの占い師・美波。北原の3度目の離婚に内心喜んでしまうも、ある日「運命の男に出会った」と告げられ……。自分が北原の恋愛対象になることはないとわかっていても、親友として傍に居続ける美波の健気さに胸が締め付けられ、苦しくなってしまいます。そんな美波の恋心に気付かず、「運命の相手は出会った瞬間にわかる」なんてロマンチストぶる北原には思わず怒りの拳を握り締めてしまいました……。美波に過去に恋人がいたと知ると自分勝手な独占欲を露わにする北原ですが、美波に言い返されたことで、美波に対する気持ちに思い悩む展開へ。そして美波への好意を自覚した後の、一転して一途攻めに変身を遂げた北原のピュアデレと、美波の甘く可愛いらしい一面は必見です♪
12年分の片想いが報われた感動で、読後は多幸感に満たされます！

＜あらすじ＞
幼馴染の北原に、高校生の頃から片想いをしている、ゲイの占い師・美波。バツ3になった北原から、しばらく居候させてほしいと頼まれ、同居生活を送ることに。

きはら記子先生のデビュー作『一途な犬は諦めない』収録の『対岸の犬を呼んで』のスピンオフ。
クィアとして生きるつらさを押し込めて、夜は陽気なドラァグクイーン・ホイップちゃんに変身する千歳と、強く出られない性格で、部下にまでいいように使われる不眠症リーマンの凌。人生にも恋にも不器用な２人の寄り添い愛、ではあるものの、一筋縄ではいかないのが本作の面白さ。
凌に勇気を与えて彼を変えた千歳なのに、自分は “自分”として会うのが怖くて女装し続けるジレンマに、「嘘をつかれているみたい（で嫌）だ」と憤慨する凌。その言い分もある意味では頑固で痛々しく、傷つく千歳はなお心に血が滲むかのよう。“あなたに好きになってもらいたいだけ”という想いは同じでも、こじれる２人の関係を、きはら記子先生が肌に薄くチリチリ痺れを感じさせるようなトーンで描く、不器用さん２人のセンシティブ・ラブストーリーです。収まるところに収まった後のあふれる幸せな甘さが極上です！

＜あらすじ＞
ゲイバーで働くドラァグクイーン・ホイップはトークアプリで「不眠症のリーマン」に毎夜グチを話すのが日課。しかし、店を探しだした彼に女装姿を笑われ――…

スピン元もCHECK

＜あらすじ＞
高校で陸上部の部長だった島崎は、大学デビューして男遊びに耽るビッチになった。ある4月、島崎は大学で再会した陸上部の後輩・秋月に、男との情事を目撃されてしまう。