「思いっきり笑いたい」や「ゾクゾクする恐怖を味いたい」など、漫画の楽しみ方は人それぞれ。漫画で「感動したい」「泣きたい」という方も多いのでは? 恋愛やスポーツ、アクションやSFなど、ジャンルは違っていても感動の涙を流せる漫画は今も昔もたくさんあります。そんな泣ける漫画の中から、今回はスタッフがおすすめする60作品をピックアップしてご紹介! 「これ! 気になってた!」という人はもちろん、「ちょっと今日は泣きたい気分」という人も、これを機にぜひ読んでみてくださいね。読むときはハンカチをお忘れなく!
目次
【あらすじ】舞台は、多くの人間が「個性」としての超常能力を持っている世界。中には個性を悪用して犯罪を働く者も多く、そのような「敵」を取り締まるためにヒーローたちが活躍していました。雄英高校のヒーロー科に通う男子・緑谷出久(みどりやいずく)もヒーローを目指している1人。しかし、出久は超常能力を持っていないため、周りからはヒーローになるのは無理だと言われてしまいます。ある日、敵に襲われている人を見て、超能力がないにも関わらず、体が勝手に助けに行こうとして…。
【作品情報】『逢魔ヶ刻動物園 』や『戦星のバルジ 』などを描いた堀越耕平による作品。2014年から集英社『週刊少年ジャンプ』に連載され、現在(2023年5月11日時点)37巻まで発売中。「ヒロアカ」という略称で親しまれ、アニメ化や実写舞台化、ゲーム化などもされた人気作品です。多数のヒーローが活躍する世界で、自分の個性を活かしたヒーローを目指す少年の成長物語。
【おすすめするポイント】ヒーローになりたいと熱望しているにもかかわらず、先天的に無個性で生まれてしまった出久。しかし、「危機に陥っている人を助けたい」という強い思いで、自分の命を省みずに敵へ立ち向かう出久は、ヒーローとしての素質は十分! そんな出久が手に入れた個性も彼にぴったり。小さい頃、ヒーローに憧れたことがある人なら、出久の熱い気持ちに共感できるでしょう。
【あらすじ】天才的な頭脳を持つ高嶺清麿(たかみねきよまろ)は、学友たちから妬まれて学校に馴染めず、不登校になった中学生。ある日、鳥に掴まっている子どもが、清麿の部屋へ飛び込んできました。その子はガッシュ・ベルと名乗り、清麿を鍛え直しに来たとのこと。ガッシュの正体は魔物の子どもで、魔界の王になるために人間の相棒が必要だったのです。自分のことを友達だと言ってくれるガッシュに、清麿は協力することを決めました。
【作品情報】作者は、『VECTOR BALL』や『どうぶつの国 完全版 』などを描いた雷句 誠。2001年から2007年まで小学館『週刊少年サンデー』に連載し、 完全版は全16巻で完結。2002年に第48回「小学館漫画賞」を受賞し、2017年3月時点でシリーズ累計発行部数は2,000万部を突破。テレビアニメやゲームなども制作されました。学校に馴染めない中学生と謎の少年が繰り広げるバトルファンタジー。
【おすすめするポイント】学友から妬まれて孤立している清麿と、彼を立ち直らせようとあれこれ世話をやくガッシュは最初から名コンビの予感! 実際に、頭脳戦が得意な清麿と身体能力の高いガッシュは、次々と魔物達を倒していきます。戦いを通して様々な出会いと別れが訪れるので、ウルっときてしまうことも。涙と笑いに満ちたファンタジーバトルの名作です。
【あらすじ】紀元前245年、中国西部の秦に住む2人の少年、漂(ひょう)と信(しん)は、中華全土に響きわたる天下最強の大将軍になるという夢を抱いて、日々剣術の稽古に励んでいました。2人を見かけた武将・昌文君(しょうぶんくん)は、漂だけを都へ連れて行くことに。しかし、その直後、王都で反乱が起こり、王の影武者を務めた瀕死の漂が帰ってきます。天下に連れていってくれと言い残して漂は息を引き取り、信は大将軍になるために旅立つのでした。
【作品情報】作者は原泰久で、本作が初連載・初コミック化です。2006年から集英社『週刊ヤングジャンプ』で連載し、現在(2023年5月11日時点)68巻まで発売中。2013年には第17回「手塚治虫文化賞 マンガ大賞」を受賞し、2023年4月には累計部数が9,700万部を突破。テレビアニメや実写映画、舞台にもなりました。今なお圧倒的な人気を誇る古代中華戦国大河ロマンです。
【おすすめするポイント】のちに秦の始皇帝となる人物と、それを支えた家臣・信の活躍を描いた壮大な物語。冒頭から親友との別れがあり、いきなり泣かされてしまいます。その一方で、戦闘シーンはスピード感があってド迫力! この魅力は小説では味わえません。戦闘漫画が好きな人、中国の歴史に興味のある人、泣ける漫画を読みたい人も全部まとめておすすめです。
【あらすじ】中学生の蒼月潮(あおつきうしお)は、寺の住職である父親から妖怪変化の存在を聞かされ続けてきました。ある日、蔵の古本を虫干しするように言いつけられた潮は、蔵の地下室で化け物を発見! 大きな化け物は槍で封印されており、その槍を抜いて自分を解き放つように潮に迫ります。いったんは断った潮でしたが、多数の小さい化け物が同級生の女の子2人を襲撃。2人を救うことを条件に、潮は化け物に突き刺さった槍を抜きますが、大きな化け物は潮に襲い掛かり…。
【作品情報】作者は、『からくりサーカス』など多くの人気漫画を生み出してきた藤田和日郎。1990年から1996年に小学館『少年サンデー』で連載し、全33巻で完結。テレビアニメ化もされ、2019年2月に累計発行部数が2,500万部を超えました。大妖怪と槍を持った少年が、世界を滅ぼそうとする最凶の妖怪に挑むバトル漫画です。
【おすすめするポイント】大きな化け物はとらと名付けられ、潮と行動を共にすることに。最初から反発しあっている2人ですが、バトル中は息がぴったり! 普段はギャグが多めですが、潮が出会う人々や化け物達とのエピソードは必ずといっていいほどホロリとさせられます。笑いあり、涙あり、名言ありなので、一気読みしちゃうこと間違いなしの作品です。
【あらすじ】心優しく家族思いの竈門炭治郎(かまどたんじろう)は、炭を売るため町に降りていくことに。しかし、帰宅した炭治郎を待っていたのは、残虐に殺された家族と、鬼の血を浴びて鬼になってしまった妹の禰豆子(ねづこ)。そこに鬼の討伐を仕事とする鬼殺隊の富岡義勇(ぎゆう)が現れて、禰豆子を斬ろうとします。妹を必死に守る炭治郎は、人間を襲わせないことを義勇へ固く誓います。そんな炭治郎に対し、義勇は刀を納めてある人物を紹介します。
【作品情報】吾峠呼世晴の初連載・初コミック化となった作品で、2016年から2020年まで集英社『週刊少年ジャンプ』に連載し、全23巻で完結。アニメ化や映画化もされ、国内のみならず海外でも大ブームを引き起こし、2021年2月には累計発行部数が1億5,000万部を超えました。鬼にされた妹とその兄が鬼の始祖を倒しに行く冒険譚です。
【おすすめするポイント】本作が泣けると言われる理由のひとつが鬼の過去。炭治郎は様々な鬼を倒していきますが、同時に鬼達の過去も判明します。家族や恋人などを守るために鬼になったエピソードなどもあり、気づいたら涙がこぼれていることも。バトルやギャグに目が行きがちですが、登場人物達の心情を詳細に描いたヒューマンドラマが大きな見どころです。
【あらすじ】伝説の海賊王ゴールドロジャーが、「この世のすべてを置いてきた」というひとつなぎの大秘宝(ワンピース)。ゴムゴムの実を食べてゴム人間になった村の少年モンキー・D・ルフィも海賊に憧れて宝探しを夢見ており、海賊を見れば仲間にしろと大騒ぎ。そんなルフィに自分に似たものを感じた海賊頭のシャンクスは、自身の麦わら帽子を預けて「海賊になって返しに来い」と言います。それから10年後、海賊王になると誓ったルフィは小さな船で海へ漕ぎ出し、壮大な冒険を開始します!
【作品情報】尾田栄一郎の初連載・初コミック化である本作は、2022年8月に4億万部を超えたメガヒット作品。1997年から集英社『週刊少年ジャンプ』で連載しており、現在(2023 年 5 ⽉11⽇時点)105巻まで発売中。テレビアニメ化もされ、映画化作品は15作目を数えます。海賊王になると豪語するルフィと魅力的な仲間たちが、伝説の大秘宝を求めて旅する海洋冒険ロマンです。
【おすすめするポイント】ともかく魅力的なキャラクター目白押しの本作。ゴム人間ルフィや、最初の仲間で世界一の大剣豪を目指すゾロ、しっかり者でボケ担当の天才航海士ナミ、女性に弱い料理人サンジなどが繰り広げるやりとりが面白くて、笑いが止まりません。しかし、旅で出会う仲間達との別れや絶望なども描かれており、ポロっと泣いてしまうことも。笑いあり涙あり、ラブストーリーもちょっとあり? な魅力満載の漫画です。
【あらすじ】モンスターだけがひっそりと暮らす島に、人間の少年ダイが住んでいました。赤ん坊のときに島に流れ着いたダイは鬼面道士に育てられ、島の平和を守るために勇者になると志します。ある日、島にお金目当てのニセ勇者一行が来訪。すっかりだまされたダイは、仲良しのゴールデンメタルスライム・ゴメちゃんを差し出してしまいます。ニセ者だと気付いたダイは鬼面道士から魔法の筒をもらい、ニセ勇者をこらしめに行くことに。ダイはゴメちゃんを助けられるのか?
【作品情報】原作は『仮面ライダーW』『冒険王ビィト』などを手掛けた三条陸、漫画は『冒険王ビィト』でもタッグを組んだ稲田浩司、監修は大ヒットRPG『ドラゴンクエスト』シリーズの生みの親・堀井雄二。RPG『ドラゴンクエスト』の名を冠する初の漫画です。1989年から1996年まで集英社『週刊少年ジャンプ』で連載し、全22巻で完結。テレビアニメ、アニメ映画も制作されました。勇者パーティが魔王軍討伐に向かうファンタジーです。
【おすすめするポイント】勇者を目指す少年ダイの魅力がたっぷり楽しめる本作。お人好しでおっちょこちょいですぐに人を信じるダイですが、正義感は人一倍! 今後、どんな勇者になっていくのか、成長を見届けたくなります。ゲームの世界観を漫画化した作品なので、強敵に敗北して挫折を味わったり、仲間との別れがあったりと、涙を誘うシーンもしばしば。一方で、モンスターたちとのほっこりしたやりとりが面白くて、ほっとする気持ちにもなれます。
【あらすじ】「救世主」と呼ばれ、人類から崇められる存在の流鏑馬鉄男(やぶさめてつお)は、巨大ロボ「スノウマン(ユキオ)」を操縦して地球を守る少年。しかし、実際は人間と会話さえまともにできない超人見知りで、人間の友達がいない鉄男にとってユキオはたった1人の友達でした。日々怪獣から地球を守り続けていた2人でしたが、人類と銀河怪獣群との最終決戦で絶体絶命に。ユキオが身を挺して助けた鉄男は地球へたどり着くも、そこは雪と氷に覆われた世界。変貌した地球で鉄男は生き残れるのか?
【作品情報】作者は辻次夕日郎で、本作がデビュー作であり代表作です。2021年から小学館『月刊! スピリッツ』にて連載を開始し、現在(2023年5月11日時点)5巻まで発売中。2019年に小学館『週刊ビッグコミックスピリッツ』主催の新人賞「スピリッツ賞」で読切「スノウボールアース」が入選受賞し、Twitterでは5000RTと1万「いいね!」を獲得しました。凍結した地球で怪獣と戦う少年とロボットの冒険譚です。
【おすすめするポイント】戦いで失ったユキオとの約束を胸に刻み、帰還した地球で友達を作ろうと前向きに生きる鉄男。そんな彼の成長は本編の見どころの一つ。もちろん、ユキオとの再会は涙なしでは読めないくらい。SF冒険アドベンチャーですが、鉄男とユキオの友情や、彼らを取り巻く人々とのコミュニケーションを丁寧に描いているヒューマンドラマでもあります。
【あらすじ】ある山に住むタヌキのモノコは、友達と一緒に川で魚を獲っていました。1人で魚獲りを続けていたモノコの前に現れたのは、魚ではなく赤ちゃん! どうやらこの子は、母から捨てられてしまったみたい。笑いかけた赤ちゃんがかわいくてたまらなくなったモノコは、家に連れて帰って育てることに。牛からもらったミルクを飲ませてみるものの、赤ちゃんは衰弱していて息を引き取る寸前…。モノコは赤ちゃんを助けられるのか?
【作品情報】作者は、『金色のガッシュ!!』や『VECTOR BALL』を描いた雷句誠。2009年から2013年まで講談社『別冊少年マガジン』に連載し、完全版は全14巻で完結。2013年に「講談社漫画賞 児童部門」を受賞した作品です。動物達が暮らす山に捨てられた赤ちゃんが自分たちの居場所「どうぶつの国」を守るために戦います。
【おすすめするポイント】自身も親を亡くしたモノコは、様々な動物達が住む世界に流れ着いた赤ちゃんを家族のように暖かく迎えて大事に育てます。しかし、動物の世界には、モノコや赤ちゃんを食べようとする危険な動物達も…。見知らぬ赤ちゃんを命がけで守ろうとするモノコの愛情にはホロリとさせられます。不思議な赤ちゃんを中心に、種族が違う生き物達が平和に暮らす世界を築いていくファンタジーです。
【あらすじ】着ぐるみのアルバイトをしている青年・加藤鳴海(かとうなるみ)は、誘拐されかかっている少年・才賀勝(さいがまさる)を助けます。しかし、誘拐相手は人間ではなく人形!? ひとまず逃げることにした鳴海に、勝はサーカスにいる「しろがね」を探していると言います。追ってきた人形のせいで電車が脱線し、2人はあるサーカスのテントに到着。そこにいた銀髪の美女こそ、勝を守る役目を持ったしろがねでした。
【作品情報】作者は、『うしおととら』や『月光条例 』など数々のヒット作を生み出した藤田和日郎。1997年から2006年まで小学館『週刊少年サンデー』で連載し、全43巻で完結。2018年3月には累計発行部数が1,500万部を超え、テレビアニメやゲーム、舞台にもなりました。世界に病気をばらまく人形達へ人間達が立ち向かうアクション漫画です。
【おすすめするポイント】勝を狙う自動人形達と戦うしろがねと鳴海。気弱でいつも守られている勝は、自分ももっと強くなりたいと思い、逃げずに立ち向かうようになります。相性の良い3人ですが、鳴海と勝達は悲しい別れを迎えることに。このシーンで号泣してしまう人も多いのだとか。個性的な自動人形達と人形遣い達が繰り広げる大迫力のバトルも見どころです!
【あらすじ】錬金術師・エルリック兄弟は、ある街で探し物をしていました。兄・エドワードは一見背の小さい普通の少年ですが、「鋼の錬金術師」と呼ばれる天才国家錬金術師。一方の弟・アルフォンスは全身に鉄の鎧をまとった奇妙な姿をしています。エルリック兄弟は、恋人を生き返らせるためにある宗教へ入信した少女と出会いますが、その教主が兄弟の探し物を持っている様子。兄弟と少女が教主の部屋を訪ねると、教主は複数の動物を合わせた合成獣を呼び出し、兄弟を襲わせます。
【作品情報】作者は、『銀の匙 Silver Spoon』や『百姓貴族』などを描いた荒川弘。2001年から2010年までスクウェア・エニックス『月刊少年ガンガン』で連載し、全27巻で完結。2021年7月時点で全世界シリーズ累計発行部数が8,000万部を超える超人気作品で、テレビアニメやアニメ映画、実写映画や舞台、さらにゲームも制作されました。天才錬金術師の兄弟が、弟の体を取り戻す旅に出るアクションファンタジー。
【おすすめするポイント】自分が行った禁断の錬金術で自らの手足と弟の体を失ってしまったエドワードは、弟の体を取り戻すために「賢者の石」を探す旅に出ることに。道中で出会った錬金術師が悲劇的な結末を迎えたり、世界を掌握しようとする人造人間達との戦いの中で大切な仲間を失ったりと泣けるエピソードも満載。あっという間に読み進めてしまうはず。ストーリーも秀逸ですが、迫力のあるバトルも見どころです。
【あらすじ】やんちゃな小学生・石田将也は、毎日友達と危険な度胸試しをするほど退屈なことが大嫌い。友達が度胸試しをしなくなり退屈していた将也のクラスに、耳が聞こえない・西宮硝子(にしみやしょうこ)が転校してきます。将也は硝子をからかいますが、思ったような反応が得られず、いたずらはどんどんエスカレート。硝子をいじめた主犯と見なされた将也は硝子へ八つ当たりをしてしまい、その後まもなく硝子は転校していきます。6年後、2人は偶然にも街中で再会を果たしますが…。
【作品情報】作者は、『不滅のあなたへ』などを描いた大今良時。2013年から2014年にかけて講談社『週刊少年マガジン』に連載し、全7巻で完結。2015年には「このマンガがすごい! オトコ編」の1位や、「手塚治虫文化賞 新生賞」を受賞し、アニメ映画も制作されました。聴覚障害を持つ少女と粗野なガキ大将な少年の恋と成長を描いた物語です。
【おすすめするポイント】耳が聞こえない硝子が来たことでクラスの雰囲気が変わってしまい、いらついて硝子にきつくあたってしまう将也。それでも将也や周囲に対して気を使い、なんとかクラスに馴染もうとがんばる硝子の健気な姿に、涙が止まらない人も続出! 小学生時代で描かれるいじめのシーンでは子どもならではの残酷さに心が痛みますが、再会後の硝子と将也の友情と恋を中心にした青春物語にはキュンキュン・ドキドキ。ぜひ先まで読み進めてください。
【あらすじ】親を事故で亡くした桐山零(きりやまれい)は、若干15歳でプロ棋士となった高校生。一度は父の友人であるプロ棋士・幸田へ引き取られるものの、彼の実子と折り合いが悪く、人付き合いを避けて1人暮らしをしています。ある日、幸田との対局を終えた零が自宅へ帰ろうとすると、夕食に誘うメールが。零が向かった先は、3姉妹とその祖父が住む川本家でした。温かく迎えてくれる川本家と接するうちに零の孤独が癒されていき、自分がやりたいことが見えてきます。
【作品情報】『ハチミツとクローバー 』や『GOHOマフィア!梶田くん』などを描いた羽海野チカの作品。2007年から白泉社『ヤングアニマル』で連載を開始し、現在(2023年5月11日時点)16巻まで発売中。2021年の「文化庁メディア芸術祭賞 マンガ部門」で大賞を受賞し、2022年1月時には累計発行部数が300万部を突破。テレビアニメ化や実写映画化も果たしました。何も持たないプロ棋士の少年が自分の居場所を見つけて成長していく物語です。
【おすすめするポイント】事故で自分以外の家族を亡くした零はふさぎ込んでしまい、人との関りを避けて過ごしてきたため、引き取り先の幸田家や学校でも自分の居場所を作れません。零がよりどころとするものは将棋だけでしたが、少し安心できる存在になっていたのが川本家でした。体調を崩している零に気づき、あれこれ世話をしてくれます。零じゃなくても、川本家の温かさが心にしみてジーンときちゃうかも。ほのぼの家族愛が好きな方や、将棋について知りたい方におすすめの1冊です。
【あらすじ】小学校の頃から漫画家に憧れ続け、大ヒット作を描くことを夢見ていた林明子。高3になった明子は「東京の美大へ進学し、在学中にデビュー」という進路を考えて、美術部で絵を描いていました。しかし、同じく美大を志望するクラスメイトから、合格するには予備校に通わないとダメだと言われ、二見と同じ絵画教室で学ぶことに。教室の先生は竹刀を持って怒鳴るコワモテの中年男性で、明子のデッサン画を見て「これではどこも受からない」と一喝。明子は美大に合格できるのか…?
【作品情報】『海月姫』や『東京タラレバ娘』などの大ヒット作を描いた東村アキコの作品。2012年から2015年まで集英社『Cocohana』で連載し、全5巻で完結。2015年に「マンガ大賞2015 大賞」と第19回「文化庁メディア芸術祭 大賞」を受賞しました。漫画家デビューを夢見て美大を受験する少女の奮闘を描いた東村アキコの自叙伝です。
【おすすめするポイント】東村アキコお得意のテンポの良いギャグが満載ですが、たびたび挟まれる絵画教室の先生・日高健三と交わす真剣なやりとりもあり、笑いつつ泣かされてしまう作品。当時は苦労したものの、漫画家の夢を達成できた東村アキコの恩師に対する深い感謝が描き込まれています。明子が美大へ合格し、漫画家になったあとも健三との騒がしくも楽しい日々は続くので、気付いたら最後まで読み切ってしまうでしょう。
【あらすじ】タクシーもないような田舎の島に降り立ったイケメン青年・半田清舟(はんだせいしゅう)。彼は新鋭の書道家でしたが、受賞した作品を「型にはまったつまらない字」とけなされて暴力沙汰を起こしてしまい、清舟の父から離島行きを命じられることに。清舟が住む家にたどり着くと、家の中には琴石なるという少女が隠れていました。なると一緒に書道をしたり遊んだりしているうちに、清舟の迷いやいらだちが晴れていき、島の生活を楽しめるようになっていきます。
【作品情報】『はんだくん』や『18 エイティーン 』といった学園漫画を多数描いたヨシノサツキの作品。2008年から2019年までスクウェア・エニックス『ガンガンパワード』や『ガンガンONLINE』で連載し、全18巻で完結。すでにテレビアニメ化は果たしており、2023年7月にテレビドラマが放送される予定です。性格に難のある書道家が、離島の人々と交流しながら成長していく物語。
【おすすめするポイント】「ばらかもん」とは、清舟が降り立った長崎県五島列島の方言で、「元気者」という意味の言葉。まさにタイトル通り、元気な島民達と接するうちに、清舟はやる気や明るさを取り戻していきます。いきなり現れた清舟に対する島民の優しさや思いやりにもジーンときちゃうかも。東京とはまったく勝手が違う田舎の「あるある」もたっぷり描かれているので、地方へ移住したい方にもおすすめです。
【あらすじ】もともとは飼い猫として幸せな生活をしていたマルルは、スズメを追いかけて家の外へ出てしまい、帰り道がわからず野良猫生活をすることに。さまよっているうちにボス猫・ハチと知り合い、縄張りに置いてほしいと頼むも断られます。ある日、ジョウロから頭が抜けずに困っているハチを見かけたマルルは、こぼれていた洗剤を活用してなんとかハチを救出。それから2匹はしばらく一緒に過ごすようになり、マルルは野良猫として生き抜くための知恵をハチから教わっていきます。
【作品情報】作者は、『きつねくんと先生』や『あしあと探偵』などを描いた園田ゆり。2022年から講談社『コミックDAYS』にて連載中で、現在(2023 年 5 ⽉11⽇時点)3巻まで発売しています。迷い猫となってしまった元家猫のマルルと、ボス野良猫のハチがお互いに助け合いながら生き抜いていく笑いあり涙ありの物語です。
【おすすめするポイント】ちょっとおっちょこちょいで愛嬌がある元家猫のマルルと、目つきが悪く野良生活の長いボス猫ハチ。お互いに助け合いながらなんとか生き抜こうとします。ほのぼのとした絵柄で描き出される野良猫の切ない境遇に、つい涙が出てしまうことも。そんな2匹に目をつけたやすおが何をする気なのかも気になります。猫好きならぜひ読んでほしい作品!
【あらすじ】花田一路(はなだいちろ)は、町でも一番のいたずらっ子で有名な小学生。いつも悪さをしては、家族や周囲の人々を困らせていました。ある日、いたずらをして自転車で逃げていた一路はトラックと激突! このとき一路は死にかけてしまい、幽体離脱をしていました。幸いにも一路の命は助かり、翌日には帰宅。しかし、その事故以来オバケが見えるという不思議な能力が身についてしまいます。オバケがからっきし苦手な一路の前に、さっそく女性の霊が現れて…。
【作品情報】『ピアノの森』が大ヒットした一色まことの作品。1993年から1995年まで講談社『ミスターマガジン』にて連載され、全5巻で完結。1995年に第19回「講談社漫画賞」を受賞し、2002年にアニメ化され、2006年には映画化も果たしました。オバケ達の成仏に協力するわんぱく少年のほのぼのファンタジーです。
【おすすめするポイント】とんでもないいたずらっ子なのに、なぜか憎めないキャラクターの一路。その理由は、霊とのやりとりを通して一路の面倒見のよい一面が垣間見えるから。困っているオバケを見逃せない優しい一路を視ていると、ほっこりと温かい気持ちになれます。オバケ達はもちろん、家族や友達などとの交流もギャグを交えて面白く描かれており、大笑いもできる作品です。
【あらすじ】男の部屋で寝ていた幸田佳乃(こうだよしの)のもとに、姉の幸(さち)から父の訃報が届きます。両親の離婚後、佳乃は長らく父に会っていなかったため、訃報に何の感情も沸かないままの鎌倉の実家へ帰省。 三姉妹で話し合った結果、佳乃と三女の千佳(ちか)が父の葬儀に参列することになり、父が新たな家族と住んでいた山形へと向かいます。その葬儀で父が周りから慕われていたことを知り、自分たちを捨てた人というイメージを持っていた佳乃は、複雑な気持ちを隠せません。
【作品情報】作者は、『BANANA FISH 』や『YASHA ―夜叉― 』などの人気作品を生み出した吉田秋生。2006年から2018年まで小学館『フラワーズ』で連載し、全9巻で完結。2007年の第11回「文化庁メディア芸術祭マンガ部門 優秀賞」を受賞し、実写映画化や舞台化などもされました。鎌倉を舞台に、父を亡くした3姉妹の家族の絆を優しく描いた作品です。
【おすすめするポイント】亡き父の葬儀には幸も参列し、初めて父の新しい家族と出会った三姉妹。異母妹の浅野すずが母親や親戚から頼られているのを見て、幸はすずが苦労するのではないかと心配し、三姉妹はすずと一緒に暮らすことに。本当の妹のようにすずと接し、新たな家族として絆を深めていく様子に心が揺さぶられるでしょう。ちょっと特殊だけど温かい家族愛を楽しめる作品です。
【あらすじ】魔王を倒して冒険から帰ってきた勇者一行は、10年という長い冒険の思い出を語り合ったのちに、50年後に再会することを約束して解散。50年後、長命で姿が変わらないエルフのフリーレンは、老人になったメンバー達と再会するも、勇者は寿命を迎えてしまいました。人間の命はエルフに比べてはるかに短く儚い…。そんな人間をエルフであるフリーレンはもっと知ろうと考えます。さらに20年後、メンバーの司教からある女の子に魔法を教えてほしいと頼まれ、フリーレンはその子を弟子に取ることに。
【作品情報】原作は『名無しは一体誰でしょう? 』などを描いた山田鐘人、作画は『カノン』で小学館からデビューし、本作が初連載・初コミック化となったアベツカサ。2020年から小学館『少年サンデー』にて連載し、現在(2023 年 5 ⽉11⽇時点)10巻まで発売中。テレビアニメ化も決定しています。魔王を倒してすべてが終わった勇者達の後日を描くファンタジー。
【おすすめするポイント】エルフのフリーレンは、勇者一行に参加したものの、人間に興味がありません。しかし、一緒に戦った勇者達が亡くなっていくのを目の当たりにしたことで、フリーレンは彼らの生き様を通して人間の考え方を少しずつ理解し、もっと知るために過去の冒険地を巡ることに。フリーレンが勇者達との思い出を語るたびに、フリーレンの孤独感や寂しさが伝わってきて、気づいたらウルウル…なんてことも。
【あらすじ】札幌で暮らすシュウジとちせは、高校生のカップル。ケンカをすることもありますが、それでも少しずつ愛を育んでいました。そんなある日、突然札幌が空襲され、次々と建物が破壊される事態に。そこでシュウジは、立ちすくむちせを発見。しかし、よく見るとちせの腕が銃に変化していて、その銃でちせが敵機を撃ち落としたのです。兵器に改造されてしまったちせは、戦うたびにどんどん兵器化が進行。シュウジはどうする…?
【作品情報】作者は、『いいひと』で人気を博した高橋しん。2000年から2001年まで小学館『 ビッグコミックスピリッツ』で連載し、全7巻で完結。テレビアニメやゲーム、実写映画にもなり、2020年8月には累計発行部数が400万部を超えました。純粋な交際を続けている彼女が、突然敵と戦う兵器に変身してしまうSFラブストーリー。
【おすすめするポイント】ほのぼのとした交際を続けていたシュウジとちせ。しかし、ある日彼女は人間ではなくなってしまいます。シュウジのことが好きだけど身を引こうとするちせと、変わらない気持ちで愛し続けようとするシュウジ。そんな2人の姿に、胸が締め付けられてしまうでしょう。悲しくも希望が残る結末にも号泣すること間違いなしの作品です。
【あらすじ】何気ない夕食を終えて、いつも通りに寝ていた岩清水ナツ。しかし、目が覚めた場所は、荒れ狂う海の上で、女性からボートに乗れと言われます。ボートに乗ったのは、ナツを含めた計4人。なんとか無人島に漂流できたものの、なぜこんなことになっているのかは、誰も知りません。しかし、全員分の荷物が用意されており、まるで何者かに仕組まれたよう…。生きのびるために、不気味な無人島でのサバイバル生活が始まります。
【作品情報】作者は、『ミステリと言う勿れ』など数々の大ヒット作を世に送り出した田村由美。小学館『別冊少女コミック』と『月刊フラワーズ』にて2001年から2017年まで連載され、全36巻で完結した大人気漫画です。累計発行部数は650万部を超え、アニメ化も果たしました。人類の存亡をかけて、少年少女たちがサバイバルする近未来ファンタジーです。
【おすすめするポイント】内気なナツがいきなり知らない男女とのサバイバル生活に放り出され、最後までハラハラしっぱなしの本作。しかし、さまざまな体験を経て、ナツは自分の殻を破って成長していきます。そんなナツの涙を見て、ついもらい泣きをしてしまうことも。また、本作は新たな仲間との出会いや別れあり、恋もありとストーリーが秀逸なので、最後まで一気に読み進めてしまうでしょう。
【あらすじ】いじめを苦に、マンションから飛び降りた中学1年生の鹿野太一は、気付く知らない場所にいました。スーツの男性・シ村に言われるまま、太一は「自殺課」という窓口に連れていかれて「自殺申請書」を書くことに。シ村と話すうちに、自分の自殺は親やいじめっ子にとって何のメッセージにもならないかもしれないと思い悩む太一。悶々としていた矢先に、太一をいじめた同級生が「死役所」にやって来て、「おまえの親父に殺された」と言います。
【作品情報】あずみきしのデビュー作となった本作は、2013年から新潮社の『月刊コミックパンチ』にて連載中で、現在(2023年5月11日時点)で22巻まで発売されています。アニメ化や実写ドラマ化もされ、2022年12月には累計部数が530万部を超えた人気作。死者が成仏するための手続きを行う役所「死役所」を舞台にした異色の作品です。
【おすすめするポイント】自殺や事故、病気など様々な理由で死に至った人々が立ち寄る死役所。手続きを通して、死者の生前の様子や死んだ理由、悩みや思いなどが明かされると同情してしまうかも。死んだあとになって家族や友人などとのわだかまりが解け、心置きなく成仏できる人もいれば、救いのない結末を迎える人もいて、読みながら自分の生き方について考えらさせられる作品です。
【あらすじ】6年前、ユーリと妻が乗った宇宙旅行中の旅客船をスペースデブリ(宇宙ゴミ)が直撃。ユーリは助かったものの、妻は宇宙の外へ投げ出されて行方不明に…。その後、スペースデブリの回収員となったユーリは、仕事中にスペースデブリとなっていた妻の遺品であるコンパスを発見。掴もうとしたユーリにスペースデブリが衝突し、ユーリは大気圏へ落下してしまいます。同じく回収員の星野八郎太(通称ハチマキ)やフィーが助けようとしますが、ユーリは無事に生還できるのでしょうか?
【作品情報】作者は、『ヴィンランド・サガ』などの人気漫画を描いた幸村誠。本作は、講談社『モーニング』にて1999年から2004年まで連載され、全4巻で完結しました。2002年に日本SF大会主催の「星雲賞 コミック部門」を受賞し、テレビアニメも放送されました。スペースデブリを回収する作業員達とその人間関係を軸に展開していくヒューマンドラマです。
【おすすめするポイント】スペースデブリを回収するというテーマのSF作品かと思いきや、主人公・八郎太やユーリ、フィーなどの回収員達にフォーカスしたヒューマンドラマが中心の作品です。1話目のユーリのエピソードで、涙腺が完全に崩壊してしまう人もいるのでは? 宇宙という過酷な環境で働く回収員達がこの仕事に就いた理由や過去、彼らを支える家族や恋人達の思いなどが手にとるように伝わり、登場人物だけでなく読者も前向きな気持ちになれます。
【あらすじ】四方を海で囲まれ、太陽の光も届かず荒廃した国「アンバーグランウンド」を、ポストを探して1人で歩く少年がいました。彼は、人々の思いである「テガミ」を届ける国家公務員の「テガミバチ」。今回のテガミは少年ラグ・シーイングで、届け先は昔の隣人の家、配達の依頼人は突然連れ去られてしまったラグの母親でした。配達先へ向かって出発した2人は巨大な「鎧虫(がいちゅう)」と遭遇! 果たして2人は無事に目的地へたどり着けるのか?
【作品情報】『BADだねヨシオくん!』や『I’ll ~アイル~ 』などを描いた浅田弘幸の作品。集英社『月刊少年ジャンプ』や『週刊少年ジャンプ』、『ジャンプスクエア』に連載され、全20巻で完結。2011年3月には累計発行部数は400万部を超え、テレビアニメ化も果たしました。危険な地域で命をかけて「テガミ」を届ける「テガミバチ」達を描いたSFファンタジー。
【おすすめするポイント】テガミバチに「テガミ」として届けられたラグは、危険な鎧虫(がいちゅう)と戦いながら命をかけて人々のためにテガミを届ける彼らに憧れて、自分もテガミバチになろうと決心。死ぬかもしれないのに、他人のために役目を果たそうとするテガミバチ達の高潔さに胸を打たれます。ラグも困っている人を助けるような優しい心の持ち主なので、テガミバチの適性はバッチリ。母親が連れ去られた理由やラグの秘密などが次々と判明し、ストーリーの見どころも満載です。
泣ける漫画を侮ることなかれ! 大粒の涙から、じんわり涙まで感情揺さぶる名作揃い!
ほろりと涙がこぼれる漫画から大号泣待ったなしの漫画まで、おすすめの泣ける漫画を60作品ご紹介しました。家族愛やピュア恋、主人公の成長などをテーマにした漫画では感動の涙があふれ、大切な人との別れや過酷な運命を描いた漫画では悲しみの涙が止まりません。好きなジャンルで思いっきり泣くもよし、ちょっと気になった漫画を手当たり次第に読んで泣くもよし! これを機に、涙を流して感情を爆発させてみませんか。