大きな愛で包み込みたい
現実世界では健康な体が一番!
しかしマンガの世界となると、なぜか虚弱体質や病弱キャラの儚い表情に惹かれてしまうなんてこと、ありませんか……? 気丈に振る舞う受けの健気さはもちろん、そんな受けを献身的に支える攻めにも注目したい、病弱受け作品を特集します!
みんなで病弱キャラを慈しみましょう~!
病弱で寝たきりの代わりに夢を自由に操れるアマネ。「夢の守護者」のミサキに会うために毎晩羊を数えていたある日、ミサキに誘われるままに夢の世界を旅し始めます。三途の川の船頭、彼岸花の精、怪しげな料理店の店主……旅を通して出会う人達はミサキとアマネを優しく受け入れてくれます。
アマネが死んでから話が展開していく本作ですが、悲壮感は全くなく、寧ろ優しい雰囲気のままお話が進んでいきます。アマネを誘ったことに罪悪感を覚えているミサキにも、優しく明るく「そのためにしんだんだから」と笑うアマネの包容力〜〜!! だからこそ、そんな彼に惹かれたミサキの気持ちが痛いほどよくわかるんです……!
アマネとミサキの、お互いを思いやる気持ちや周囲を大事にする姿に読んでいて心がじんわり……。優しくて、切なくて、最後にあったかくなるお話をぜひ!
時代に翻弄された青年を描いた『花に嵐』のスピンオフ。前作の主人公・神谷と北條の学生運動仲間として登場した豪が主人公です。
病弱な幼馴染・幸彦に言われるがまま体の関係を結んだ豪は、幸彦に対するこの気持ちが何なのか悩んでいました。自分の寿命を悟り、本音を隠しふざけながらでしか豪に触れられない幸彦が不憫で美しいです。まさに薄幸の美少年というビジュアルで、何度も生死の境をさ迷う描写にハラハラさせられます。最初は幸彦に振り回されていた豪も、幸彦が居なくなるかもしれないという現実に直面し、ようやく自分の気持ちに気付きます。普段ツンデレな幸彦が死を覚悟しながら綴った豪への本音に号泣……! 儚い見た目の幸彦が抱く生への強い執着が印象的です。因みに号泣ポイントはこの後にもありますので、ぜひ本編でご確認くださいね!
エロもストーリーもしっかり堪能できる本作。前作の神谷や北條との関係性も素敵なので、二冊イッキ読み推奨です。
本編も合わせてチェック!
翻訳家の花本は、気管支が弱いため空気の澄んだ東北の地へ向かい、静養先でマタギの奥山と出逢います。田舎で繰り広げられる朴訥青年と病弱都会っ子の恋の行方は―?
まず楽しんでいただきたいのはピュアなふたり。無愛想ながら「気は優しくて力持ち」を地で行く奥山は、初対面で女性だと思った花本が男性だとわかっても、あれこれ世話を焼いたり気遣ったり。内心「細くて白くてキレイでええ匂い…」と、いちいち赤面してドキドキしちゃうのが微笑ましいです! 一方の花本は、病弱だったこともあり奥山が初めての同年代の友人なので、「友達ってどこまでするの?」状態。お風呂で触りあったあと、「友達っていいな…」などと考えている花本には先が思いやられます! また、二人の体格差もポイント。か弱い花本が熊のように大きな奥山の腕にすっぽり収まる図は、体格差好きな方必見です! さらには珍しいマタギ攻めや方言など、見どころ満載の一冊をぜひお楽しみください。
鹿乃しうこ先生の人気作『大本気。』スピンオフ! 迫力満点のエロと、17歳差主従を堪能できる一冊です。
外木場組の幹部・篠田は心臓疾患をもつ御曹司・遊馬を長年支えてきました。世話係と坊ちゃんという関係性の2人でしたが、「独りになってみたい」という遊馬の一言をきっかけに、より深い関係へと変化していき……。
心臓に負担が掛からないよう、情事中でも遊馬のことを第一に考える篠田が性癖に刺さりすぎる……! 場所を問わず遊馬を気遣う、そんな彼の献身的な愛情に心を鷲掴みにされました……。恋人らしく肌を合わせるようになっても、篠田は遊馬との間に一線を引いていたのですが、遊馬の縁談によって急展開! ようやく身も心も繋がったふたりの描写に読者は思わず天を仰ぐはずです。特に注目していただきたいのが、篠田を愛おしそうに見つめる遊馬の眼差し! あまりの優しさに思わず涙してしまいますよ……!
主従関係を超えて近づいていく様子に、エンドレス胸キュンをお約束します♪
本編も合わせてチェック!
好感度上々スタートの溺愛甘々BLもよいですが、好感度マイナススタートでじりじりと心の距離を縮めていく人獣攻めはいかがでしょうか! こちらは怪我をして入院している黒豹人獣クルイークと、人間で主治医の京のお話です。
様々な種族が共生する世界観ながら、クルイークには人間に対して苦い記憶が。そのせいで京に対してもつらく当たり、痛々しく傷つけてしまいます。大きな人獣になす術もなく身体を暴かれてしまうひ弱な人間……涙をこぼしながらも耐える受けは非常に可哀想で可愛いです。病弱なせいで子どものころにたくさん悲しい思いをした京には、怪我で行きたいところへ行けないクルイークの気持ちがわかってしまいます。だから彼の所業を許し、ひたむきに向き合い……そんな京の姿にクルイークも心を開いていくのですが、この過程があまりにエモい! 心を通わせて幸せそうに微笑み合う二人を、ぜひ読んで味わってほしいです。
すれ違いまくりのもだもだカップルが大好きな方にオススメなのがこちらの作品です!
世話焼きな功生と身体の弱い智は、幼い頃からの幼馴染。功生は智の体調を最優先し、いつでもさりげなくサポートしてくれます。しかし、智が功生から離れようとした時は、なりふり構わず声を荒げ、唇を奪う独占欲も見せてくれるのです! 普段クールな攻めが執着を剝き出しにする様はもはや風流ですね。
一方の智は、もう功生を縛り付けたくない、と離れようとするいじらしい受けです。しかし、体調を崩した時には傍にいてほしいと思うのはやはり功生! 弱った時ほど人は本心が出るというものです。意識を朦朧とさせながら功生の名前を呼ぶ理由は「世話を焼いてくれるから」だけではないのでしょう!
お互いが一番大切だからといって、必ずお互いが納得できる答えを毎回選べるわけではありません。何度もすれ違い傷つけ合う2人の行先を、その目で確かめてみてください♪
スポーツマンで明るい人気者の紘太と、身体の弱さによる数々のトラウマで対人の交流に怯えている実琴。そんな正反対なDK2人の尊い触れ合いを摂取出来る作品です♪
注目されたくない実琴のため、人気のない場所で腹を据えてゆっくり話をしようとするなど、常に紘太は実琴の気持ちを優先します。明るい攻めの超自然気遣い屋なギャップ、愛すしかない! また、何度も傷ついてきた思い出を持ちながら、紘太におずおずと懐いてくるギャップは実琴も負けていません。あっけらかんとした紘太の優しさに引っ張られ、人のことを分かりたいと願うようになる実琴の成長を描く物語としても楽しめる作品です。そんな繊細な実琴がベッドで見せる赤らんだ頬と涙、寄せられた眉。発作シーンと同じ要素が多いはずなのに、蕩けた表情は快感と幸せに満ちていてキュンが止まりません♪
不器用な人間関係を優しく解いてくれる学園ヒューマンドラマBL、オススメです!
大正・昭和やそれ以前を描いた作品が多く、ノスタルジックで切なさ漂う深井結己先生の短編集より、表題作のご紹介です。
舞台は戦時下の昭和二十年。医学生として東京の大学に通っていた榎戸正之介は、病のため志半ばで帰郷。村はずれの一軒家で一人療養していたある日、瀕死の米兵・ジョーイを発見した正之介は、敵だろうと医学を志した者として見捨てるわけにはいかず、匿い介抱します。実は余命が長くないことを宣告されていた正之介でしたが、彼の献身的な看護で傷の癒えたジョーイは、病に苦しむ正之介の背中をさすり続け、語らい、かけがえのない存在となっていくのでした。人目を忍ぶしかない戦時下の二人ですが、こっそり遊びに来る正之介の末弟・幸作も交えた束の間の穏やかな時間は幸せそのもの。互いに向ける優しいまなざしに胸が苦しくなります。心洗われるストーリーに、切ないだけではない儚さをぜひご堪能ください!
以上8作品、いかがでしたか?
あえて病弱キャラだけをピックアップした特集というのも珍しいのでは……と思っておりますが、皆さまの琴線にビビッと触れる作品があったのなら幸いです。
実生活は健康第一でBL生活を楽しみましょう~!
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